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小林よしのり
2016.9.24 02:55皇統問題

有識者会議の良識やいかに?


有識者メンバーは政府系会議の常連ぞろいらしい。

風岡典之・宮内庁長官の退任後、後任に山本信一郎氏が

決まったが、驚くのは、次長として官邸中枢から、

西村泰彦氏が送り込まれたことだ。

「宮内庁の人事を官邸主導に切り替えた」のだという。

 

内閣法制局の人事と同じく、またしても官邸の言いなりに

なる人事を断行して、独裁色を強めてきた。

天皇陛下を徹底的に首相の下に置いて、管理しようとして

いるのだろう。

 

もはや「臣下」でも何でもない。

かつて東条英機にしろ、吉田茂にしろ、「臣下」という

意識は強烈に持っていたが、あいにく安倍首相にとっては、

天皇を臣下にしたいという野望の方が強いようだ。

 

「国民主権」が行き過ぎた政治家や自称保守派は、

天皇の政治利用しか考えなくなる。

天皇が自らの主体性を発揮すると、暴走だと言い募り、

憲法違反の疑いありと、天皇批判を始めるのだ。

 

だがここで断言しておくが、天皇は「公」の体現者である。

私利私欲で暴走することは絶対にない!

特に今上陛下の場合は、そんな人物ではない。

 

政府こそが「私」に埋没し、国家の「公」を崩壊させる

危険が見えてきたときだけ、天皇は主体性を発揮する。

それを「暴走」と言う者は、そもそも「公」が見えて

いないからである。

 

88日の玉音放送のお言葉を再読せよ。

すべて「公」に繋がっている。

「疲れたから自分だけでも退位させてくれ」と仰っている

わけではないのである。

国民は「お可哀そう」で留まっていてはいけない。

それが有識者会議のメンバーに分かっているか否か?

疑念はあるが、もはや彼ら彼女らの良識に期待するしかない。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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